商法改正の動向【2003年3月号】

商法改正の動向【2003年3月号】

弁護士 榎 本   修



 商法は、大企業にとっても中小企業にとっても会社経営や事業を営む上での基本法です。日本の商法は明治に制定された古い法律ですが、これまでは「基本法を頻繁に改正すると、混乱が生じ、みんなが安心して使えなくなる」という理由から、最低限の改正だけが行われてきました。

 しかし、平成2年以降、特にこの数年は、商法学者もびっくりするくらいの商法改正が何度も、しかも大掛かりに行われるようになりました。 
 これだけ改正を急ぐのは、一つには現在の厳しい不況の影響があります。ベンチャー企業など新規事業を興しやすくしたり、間接金融(銀行借入)から直接金融(新株・社債発行)への移行をスムーズにすること、金庫株(自己株)の解禁等も、そのような改正の一環です。他にも、IT化に対応するための商法改正(これにより、ソニーはネットで株主総会を開催しました。)等もあり、今後もしばらくは商法改正が続きそうです。

 当事務所では、改正の動向をフォローし、みなさまに最新の情報をお届けし、一緒に知恵を絞る中で「使いやすい商法」をご提案していきたいと思います。