被害者参加制度
ご存じですか? 被害者参加制度 【2010年7月号】
弁護士 亀 村 恭 平
平成19年6月に創設され、平成20年12月1日より運用が開始されている「被害者参加制度」ですが、裁判員制度の陰に隠れているためか、それほど認知されていないのが現状です。
そこで、今回は被害者参加制度をご紹介します。
1 対象犯罪
被害者参加制度の対象となるのは、故意の犯罪行為により人を死傷させた罪(殺人など)、業務上過失致死傷、自動車運転過失致死傷の罪(交通事故など)のように、一部の犯罪に限定されています。
2 被害者参加人が出来ること
被害者参加人にできることは、大きく分けると以下のとおりです。
①公判期日への出席(刑訴法316条の34)
②検察官に対する意見(同法316条の35)
③証人の尋問(同法316条の36)
④被告人に対する質問(同法316条の37)
⑤事実又は法律の適用についての意見陳述(同法316条の38)
被害者参加人にできることは、大きく分けると以下のとおりです。
①公判期日への出席(刑訴法316条の34)
②検察官に対する意見(同法316条の35)
③証人の尋問(同法316条の36)
④被告人に対する質問(同法316条の37)
⑤事実又は法律の適用についての意見陳述(同法316条の38)
3 被害者参加の効果
これまで、犯罪被害者は刑事裁判の蚊帳の外に置かれている印象もありましたが、被害者参加制度により、一定の範囲で犯罪被害者が主体的に刑事裁判に関わることができるようになりました。
これまで、犯罪被害者は刑事裁判の蚊帳の外に置かれている印象もありましたが、被害者参加制度により、一定の範囲で犯罪被害者が主体的に刑事裁判に関わることができるようになりました。
4 損害賠償命令制度
被害者参加と同時期に成立したものとして、「損害賠償命令制度」があります。
これは、一定の対象犯罪について、刑事裁判の証拠を用いて損害賠償請求に関する判断をするというものです。従来であれば、損害賠償請求をするには別途民事訴訟等を提起する必要があったのですが、この制度では申立書の提出で審理が可能となり、被害者の権利救済に重要な役割を果たすことが期待されています。
本来、犯罪の被害に遭わないことが望ましいですが、社会生活を送る以上、いつ犯罪に巻き込まれるかわかりません。
権利救済のためには被害者参加制度や損害賠償命令制度の利用も考えられますので、まずは弁護士にご相談頂ければと思います
被害者参加と同時期に成立したものとして、「損害賠償命令制度」があります。
これは、一定の対象犯罪について、刑事裁判の証拠を用いて損害賠償請求に関する判断をするというものです。従来であれば、損害賠償請求をするには別途民事訴訟等を提起する必要があったのですが、この制度では申立書の提出で審理が可能となり、被害者の権利救済に重要な役割を果たすことが期待されています。
本来、犯罪の被害に遭わないことが望ましいですが、社会生活を送る以上、いつ犯罪に巻き込まれるかわかりません。
権利救済のためには被害者参加制度や損害賠償命令制度の利用も考えられますので、まずは弁護士にご相談頂ければと思います