「契約自由の原則」の上手な活用法

「契約書」どうしてますか? 

 契約書を作りたい、と思ったとき、どうしていますか?

最近は、

・チャッピー(ChatGPT)

・ジェミニ先生(Google)

・コパイ君(Microsoft)

のようなAIが広く活用されるようになりました。「この契約書のリーガルチェックお願い!」と書いてアップすると、結構いい感じの答えが返ってくるみたいです。拝見すると、たまに間違っていることもありますが、私の直感では少なくとも7~8割は正しいことが書いてある感じです。「ほお、結構すごいね」というのが率直な感想です。

 「こういう感じの取引をしたいので、契約書作って!」と書くと、条文作成もやってくれるとのことで、素直に「へえ、それはすごい」と思います。

 ただ、質問の仕方や書き方が難しい。この会社や状況のどこを書き込めばAIがいい答えを返してくれるか?何を加筆すればもっといい提案をしてくれるのか?第○条と第○条は矛盾しないのか?…とかを突き詰めてゆくのは簡単ではありません。そこは、弁護士の方が得意です(←と私は思ってます)。

 一方、AIは日々進化しています。弁護士も負けないように進化を続けます(←頑張らなきゃ…)

「契約自由の原則」の活用法 

 契約書を一から作るとき、私は「契約自由の原則」を意識し、「その方にとって」どういう条項を入れるのか考えるのがとても好きです。

 私も弁護士になりたてのころは、「契約書書式集」とかを見て、よい点、悪い点とかをチェックしていました。今もそれは大事ですが、その種の作業はAIの方が得意かもしれません。チョー早くやってくれます。これに「契約自由の原則」を加えると「(他の誰でもない)あなたの実状」「あなたの取引」に合致した「あなたにとって」とてもよい契約書になります。

 私は、A案、B案、C案を考えて「どれがいいでしょうねー」とZOOMで御相談して決めていくことが多いです。こういうお話しをしていると、相談されている方の心配事や、取引・契約の中身、お仕事や生活の内容がとてもよく分かります。少しでも不安なことやリスクを減らすためにどういう内容の契約書にしたらよいか。頭をひねり条文案をいくつも考える。こういう「選択肢の開発」を相談者の方と協同で行っているとき、私はとても楽しいです。

 「契約の自由」という重要な原則があります。これは、明治時代から当然の原則でしたが、2020(令和2)年の債権法改正で「当然のことも条文にきちんと書き込もう」と明文化されました。「法律をみんなにわかりやすいものに!」との考えのあらわれです。

 「契約自由の原則」には、様々な内容が含まれます。例えば、「方式の自由」(口頭or書面orネット?)も契約自由の原則の一つですが、今回のテーマとの関係では「契約の内容は当事者の合意で自由に決定できる」という「内容の自由」が非常に重要です。

 債権法改正で民法521条2項に「契約の当事者は、法令の制限内において、契約の内容を自由に決定することができる」と規定されるということを知ったとき、私はちょっと静かに感動しました。「やっと、そういうことを正面から認める時代が来たのか…」という思いです。それは「自分のことは自分で決める」という「自己決定権」の尊重のあらわれでもあります。